暮らしを整えようとすると、
先に出てくるのは、
節約や断捨離の話かもしれない。
何を減らすか。
何をやめるか。
何を我慢するか。
でも、僕の暮らしOSは、
そこから始まらなかった。
僕の起点は、
「足るを決める。」
だった。
これは、
少なく持つことを美徳にする話じゃない。
我慢して削る話でもない。
妥協して諦める話でもない。
大切なのは、
納得。で決めることだ。
本当に自分に必要な量は、どれくらいか。
常に持っておく必要があるのか。
それとも、
必要な時だけで十分なのか。
それを、
自分の感覚で見直していく。
僕にとって、
足るを決める。とは、
そういう作業だった。
その時に大事なのは、
いきなり捨てることじゃない。
先ず、距離を置くことだ。
ずっと手元にあると、
それが本当に必要なものなのか、
ただの習慣なのか、
惰性なのか、
不安から持っているだけなのか、
見えにくい。
だから一度、離してみる。
しばらく、無しで過ごしてみる。
それでも必要なら、
後で回収すればいい。
この順番にすると、
かなり見えやすくなる。
ただ、
距離を置く。は、
必ずしもいきなりゼロにすることではない。
たとえば、
毎日何本もビールを飲んでいる人が、
いきなり全部やめるのは難しいかもしれない。
そういう時は、
途中。を打ちながら、
段階的に距離を置いていけばいい。
三本飲んでいるなら二本にする。
二本なら一本にする。
それを、しばらく続けてみる。
そして最後に、
一度ゼロにしてみる。
このやり方でもいい。
大切なのは、
減らすことそのものじゃない。
自分にとって本当に必要な量を観測することだ。
昔、僕は毎日、
ビールを飲んでいた。
好きだったし、
それが当たり前になっていた。
でも、
ダイエットをきっかけに、
一時的にやめてみたことがある。
その時、
驚くくらい、あっさり断酒できた。
そこで気づいた。
僕は、ビールを
本当に求めて飲んでいたわけじゃなかった。
何となく、
惰性で飲んでいただけだったんだと。
僕にとって、お酒は、
常に必要なものではなかった。
これが、
足るを知る。だった。
そしてその後、
僕はビールとの付き合い方を決め直した。
飲みたい時に買って飲む。
ストックはしない。
これが、
足るを決める。だった。
大事なのは、
ゼロにしたことじゃない。
持ち方を再定義したことだ。
僕にとって必要なのは、
毎日飲める状態ではなかった。
飲みたい時に飲める。
そのくらいの距離感で十分だった。
これは、
お酒だけの話じゃない。
一番試しやすいのは、
たぶんサブスクだと思う。
先ず解約してみる。
しばらく、無しで暮らしてみる。
それでも必要なら、
また戻せばいい。
以前、僕は
音楽サブスクに登録していた。
でも、一度解約して、
しばらく無しで過ごしてみた。
その結果、
自分にとって必須ではないことが分かった。
無いと困るものではなかった。
だから今は、
定期的にある無料お試しキャンペーンの時だけ登録して使う、
と決めている。
常に契約しておくものではなく、
必要な時だけ使うものへと、
位置づけが変わった。
これも、
足るを決める。だ。
同時に、
ワイヤレスイヤホンも
必須ではないと分かった。
便利だし、
あれば快適だ。
でも、
無ければ暮らせないわけではない。
だから今は、
必需品ではなく、
便利な贅沢品として見ている。
これもまた、
持ち方の再定義だと思う。
このやり方は、
身の回りの物にも、
サービスにも、
かなり広く応用が効く。
だからこれは、
減らし方の話ではなく、
見直し方の話でもある。
捨てる。手放す。を、
最初の選択にしなくていい。
物なら、
クローゼットの奥でもいいし、
別の部屋でもいいし、
段ボールに入れて、
見えない場所へ移してもいい。
それでも難しいなら、
貸し倉庫やオンライントランクルームに預けるのも一つだと思う。
大切なのは、
生活動線から一度外してみることだ。
そうすると、
本当に必要かどうかが見えてくる。
惰性で持っていたのか。
不安で残していたのか。
ただ便利だっただけなのか。
自分で選んで持っていたのか。
その輪郭が、
少しずつ出てくる。
足るを決める。は、
ただ物を減らす話じゃない。
身の回りの物やサービスから一度距離を置き、
自分との依存度や必要性を見つめ直し、
持ち方を再定義することだ。
暮らしを整える時、
最初に必要なのは、
減らす勇気より、
観測する余白なのかもしれない。
何を持つか。
何を持たないか。
どこまでを必要とするか。
それを、
自分で決め直す。
僕の暮らしOSは、
そこから始まった。
〔補足メモ。〕
足るを知る。=なくても困らないと、自分で気づくこと。
足るを決める。=必要な量と持ち方を、納得。で決め直すこと。