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地味に見える贅沢。

おにぎり。
味噌汁。
鍋。

世間的には、
地味な料理に見えるのかもしれない。

日常食。
家庭料理。
節約飯。
簡単な料理。

そういう言葉で片づけられやすい。

でも僕は、
この三つをかなり贅沢な料理だと思っている。

炊いた米がある。
塩で握る。
味噌を溶く。
出汁がある。
季節の野菜を入れる。
鍋で煮る。
温かいまま食べる。

それだけで、
かなり豊かだと思う。

しかも、
この三つは飽きにくい。

一瞬だけ派手な料理ではなく、
毎日戻ってこられる料理だ。

おにぎりは、
主食であり、
携帯食でもある。

味噌汁は、
汁物であり、
野菜を受け止める器でもある。

鍋は、
主菜にも副菜にもなり、
その日の体調や季節に合わせて変えられる。

どれも完成された料理でありながら、
同時に、何かを足せる器でもある。

高価な食材を使うことだけが、
贅沢ではない。

たくさんの料理を覚えることだけが、
豊かさでもない。

鍋とお椀で足りる。

でも、
そこに季節の素材を少し足すだけで、
十分に極上になる。

僕にとっての食の贅沢は、
派手さではなく、
毎日戻ってこられる強い型の中にある。

地味に見えるものほど、
本質的にはかなり贅沢なのかもしれない。